賃貸の退去費用はいくら?一人暮らしの相場と高額請求を防ぐポイント

退去費用

「賃貸を退去するときって、いくらかかるの?」

「退去費用で10万円とか請求されたらどうしよう……」

一人暮らしで部屋を借りていると、引っ越しのときに気になるのが退去費用です。

特に「原状回復」という言葉を聞くと、

入居したときの状態まで全部戻さないといけないの?

と思ってしまいますよね。

しかし、原状回復=部屋を新品の状態に戻すことではありません。

国土交通省のガイドラインでは、通常の使用による損耗や経年変化は、原則として借主が負担するものではないとされています。借主の故意・過失や、通常の使用を超えるような使い方によって生じた損傷などが、基本的な借主負担の対象です。

この記事では、一人暮らしの退去費用について、

  • 退去費用はいくらくらい?
  • 何にお金がかかる?
  • 普通に生活してできた傷は払う?
  • 敷金は返ってくる?
  • 退去費用が高くなるケース
  • 高額請求されたときはどうする?
  • 退去費用を抑える方法

まで、まとめて解説します。


  1. 結論:退去費用に決まった「相場」はない
  2. そもそも「退去費用」とは?
  3. 原状回復=入居したときの状態に戻すことではない
  4. 一人暮らしで「払う可能性があるもの・ないもの」
    1. 基本的に貸主負担となるもの
      1. 日常生活による経年劣化
      2. 通常の使用による損耗
    2. 借主負担になりやすいもの
      1. 不注意で壁や床を傷つけた
      2. 掃除を怠って汚れを悪化させた
      3. タバコによる汚れ・臭い
      4. 故意に設備を壊した
  5. 「壁に画鋲を刺したら退去費用を払う?」
  6. 「ハウスクリーニング代」は必ず払う?
  7. 退去費用が高くなりやすいケース
    1. ① タバコによる汚れ・臭い
    2. ② 掃除をほとんどしていない
    3. ③ 壁や床を大きく傷つけている
    4. ④ 設備を壊している
    5. ⑤ 契約上の特約がある
  8. 退去費用は「住んだ年数」でも変わる?
  9. 敷金は退去したら返ってくる?
  10. 退去費用が高すぎると思ったらどうする?
    1. ① 契約書を確認する
    2. ② 請求書の内訳を確認する
    3. ③ 疑問があれば説明を求める
  11. 退去時の立ち会いでサインしたら、もう変更できない?
  12. 退去費用を抑える5つのポイント
    1. 入居時の部屋の写真を撮っておく
    2. 契約書の「特約」を確認する
    3. 普段から掃除する
    4. 自分で勝手に修理しない
    5. 請求内容に疑問があれば明細を確認する
  13. 退去費用で損しないために、入居前からチェックしよう
  14. まとめ:退去費用は「相場」より「何を払うのか」を確認しよう
  15. 🐶 賃貸わんこについて

結論:退去費用に決まった「相場」はない

まず知っておきたいのが、退去費用には一律の相場があるわけではないということです。

退去時に必要になる金額は、

  • 部屋の広さ
  • 入居年数
  • 傷や汚れの程度
  • 敷金の有無
  • ハウスクリーニング特約の有無
  • 原状回復に関する契約内容

などによって変わります。

そのため、

「一人暮らしなら退去費用は○万円」

と決めつけることはできません。

むしろ重要なのは、

「何が借主負担になるのか」

を知っておくことです。


そもそも「退去費用」とは?

退去費用とは、賃貸物件を退去するときに発生する費用のうち、主に原状回復や契約上の特約などに基づいて借主が負担する費用を指して使われることが多い言葉です。

退去時には、部屋の状態を確認したうえで、必要に応じて修繕費用などが精算されます。

入居時に敷金を支払っている場合は、そこから原状回復費用などを差し引き、残額が返還されるのが一般的です。

反対に、必要な費用が敷金を上回れば、追加で支払うことになる場合があります。

つまり、

「退去費用=必ず追加でお金を払う」

というわけではありません。

敷金がある場合は、敷金から差し引かれて返還されるケースもあります。


原状回復=入居したときの状態に戻すことではない

ここは退去費用を理解するうえで、かなり重要です。

「原状回復」と聞くと、

入居したときと同じ新品の状態に戻す

と思うかもしれません。

しかし、国土交通省のガイドラインでは、原状回復について、通常の使用による損耗や経年変化まで借主が負担するものではないという考え方が示されています。

たとえば、普通に生活しているだけでも、

  • 壁紙が日焼けする
  • 床や設備が経年劣化する
  • 時間の経過によって建物が古くなる

といったことはあります。

こうした通常損耗・経年変化については、原則として貸主側の負担とされています。

一方で、

  • 不注意で壁を大きく傷つけた
  • タバコによって著しい汚れや臭いが付いた
  • 掃除を怠ったことで汚れがひどくなった
  • 故意に設備を壊した

など、借主の故意・過失や通常の使用を超える損耗については、借主負担になる可能性があります。


一人暮らしで「払う可能性があるもの・ないもの」

では、具体的に見ていきましょう。

基本的に貸主負担となるもの

一般的な考え方として、次のようなものは貸主側の負担となるケースがあります。

日常生活による経年劣化

長く住んでいれば、設備や内装は自然に古くなります。

こうした経年変化による劣化は、原則として借主がすべて修繕費を負担するものではありません。

通常の使用による損耗

普通に生活していて発生する程度の損耗についても、原則として借主負担とはされていません。

国土交通省は、こうした通常損耗や経年変化にかかる修繕費用は、基本的に賃料に含まれるという考え方を示しています。


借主負担になりやすいもの

一方、次のようなケースでは借主負担になる可能性があります。

不注意で壁や床を傷つけた

家具をぶつけて壁を大きく破損させたなど、通常の使用を超えた損傷は借主負担になる可能性があります。

掃除を怠って汚れを悪化させた

通常の生活で生じる汚れとは異なり、手入れを怠ったことで汚れやカビなどが大きく広がった場合は、借主負担となる可能性があります。

タバコによる汚れ・臭い

喫煙によって壁紙などに著しいヤニや臭いが付いた場合は、借主側の負担となる可能性があります。

故意に設備を壊した

当然ですが、故意に設備を破損させた場合などは借主側の負担となる可能性があります。


「壁に画鋲を刺したら退去費用を払う?」

一人暮らしで意外と気になるのが、壁の穴です。

画鋲やピンを使っただけで、必ず退去費用が発生するとは限りません。

重要なのは、傷の程度や契約内容、使用状況などです。

一方で、壁に大きな穴を開けたり、通常の使用とはいえないほど損傷させたりした場合は、借主負担となる可能性があります。

「穴がある=絶対に借主負担」と単純に判断するのではなく、実際の損傷の程度や契約内容を確認しましょう。


「ハウスクリーニング代」は必ず払う?

ここも非常に重要です。

退去時に、

「ハウスクリーニング代○万円」

と請求されることがあります。

しかし、クリーニング費用については、契約書に特約があるかどうかが重要です。

国土交通省のQ&Aでは、クリーニング特約について、

  • 借主が負担する内容や範囲が示されているか
  • 通常損耗についても負担する趣旨や具体的な範囲が説明されているか
  • 費用が妥当か

などを踏まえて、その有効性が判断されるとしています。

つまり、

「クリーニング代だから絶対に払う」

とも、

「通常損耗だから絶対に払わなくていい」

とも、一概には言えません。

契約書を確認することが重要です。


退去費用が高くなりやすいケース

一人暮らしで退去費用が高くなりやすいのは、たとえばこんなケースです。

① タバコによる汚れ・臭い

壁紙や天井などに著しいヤニや臭いが残っている場合、通常の使用とは区別される可能性があります。

② 掃除をほとんどしていない

通常の生活による汚れを超えて、手入れ不足によって汚れやカビなどがひどくなった場合、借主負担となる可能性があります。

③ 壁や床を大きく傷つけている

家具の移動などで大きな傷をつけた場合などは、修繕費用が発生する可能性があります。

④ 設備を壊している

エアコン、建具、水回りなどを不注意で破損させた場合は、修理・交換費用の負担が発生する可能性があります。

⑤ 契約上の特約がある

ハウスクリーニングなどについて、契約時に借主負担の特約が設定されているケースがあります。

そのため、退去時になって初めて契約内容を確認するのではなく、入居前に確認しておくことが大切です。


退去費用は「住んだ年数」でも変わる?

はい。

原状回復費用については、経過年数を考慮するという考え方があります。

たとえば、借主の故意・過失などによって壁紙を交換する必要が生じた場合でも、新品の価値をそのまま全額借主に負担させるのではなく、経過年数を考慮して借主の負担割合を減らしていくという考え方です。

国土交通省のガイドラインでは、壁・天井のクロスについて、6年で残存価値が10%となるような負担割合の考え方が示されています。

ただし、

「6年住めば退去費用が必ず0円になる」

という意味ではありません。

損傷の内容や契約内容などによって扱いは変わるので注意しましょう。


敷金は退去したら返ってくる?

敷金を支払っている場合、退去時に必要な費用などを精算したあと、残額が返還されることがあります。

国土交通省も、敷金について、修繕費用などを差し引いたうえで返還される仕組みを案内しています。

たとえば、

敷金10万円

を支払っていて、

退去時の借主負担分が3万円

だった場合、

10万円 − 3万円 = 7万円

が返還される、というイメージです。

ただし、契約内容や未払い賃料などによって精算内容は変わります。


退去費用が高すぎると思ったらどうする?

ここは覚えておきたいポイントです。

退去後に高額な請求が届いたとしても、金額だけを見てすぐに「払わない」と判断するのはおすすめしません。

まずは、

① 契約書を確認する

原状回復やクリーニングについて、どのような特約があるのか確認します。

② 請求書の内訳を確認する

「原状回復費用10万円」とだけ書かれているなら、

  • どこを修繕するのか
  • 何の費用なのか
  • いくらかかっているのか

を確認しましょう。

国土交通省も、請求額の内訳や算出根拠が不明な場合は、不動産会社や貸主に確認するよう案内しています。

③ 疑問があれば説明を求める

たとえば、

「この費用はどの部分の修繕費でしょうか?」

「この金額の算出根拠を教えていただけますか?」

と確認してみましょう。

国土交通省のQ&Aでも、敷金から差し引く原状回復費用について、明細を確認・請求することができるとされています。


退去時の立ち会いでサインしたら、もう変更できない?

これもよくある疑問です。

退去時の立ち会いでサインしたからといって、必ずしもすべての費用負担について了承したことになるとは限りません。

国土交通省のQ&Aでは、単に損傷があることを確認しただけなのか、それとも原状回復費用の負担まで了承したのかによって扱いが異なると説明しています。

そのため、立ち会い時に疑問があれば、

「このサインは傷の確認ですか?費用負担への同意も含まれますか?」

など、確認しておくと安心です。


退去費用を抑える5つのポイント

ここまでを踏まえて、退去費用を抑えるためにできることをまとめます。

入居時の部屋の写真を撮っておく

これはかなり重要です。

入居前からあった傷や汚れについて、写真を残しておきましょう。

国土交通省も、退去時のトラブル防止のため、入居時に物件の状態を確認し、写真などの客観的な証拠を残しておくことを勧めています。

スマホで、

  • ドア
  • 水回り
  • 備え付け設備

などを撮影しておくと安心です。

契約書の「特約」を確認する

特に、

「退去時クリーニング費用」

についてはチェックしておきましょう。

入居前に知っていれば、「退去するときに突然請求された!」というトラブルを防ぎやすくなります。

普段から掃除する

退去前だけ必死に掃除するより、普段から部屋をきれいに使うほうが大切です。

特に水回りやカビなどは、放置すると汚れが広がってしまう可能性があります。

自分で勝手に修理しない

「退去費用が高くなりそうだから、自分で壁紙を張り替えよう!」

これは、ちょっと待ったほうがいいです。

契約書で貸主や指定業者による原状回復が定められている場合、勝手に修理することができない場合があります。

国土交通省も、契約内容によっては借主自身や指定外の業者による工事が認められない場合があるとしています。

修理する前に、まず管理会社や貸主に確認しましょう。

請求内容に疑問があれば明細を確認する

「高い気がする……」

と思ったら、まず明細を確認。

感情的に「払わない!」とするより、

「どの部分の修繕費なのか」

を確認するほうが話が進みやすくなります。


退去費用で損しないために、入居前からチェックしよう

実は、退去費用のトラブル対策は退去するときから始めるのでは遅いことがあります。

国土交通省のガイドラインでも、トラブルを防ぐために、

  • 契約時に原状回復の条件を確認する
  • 入居時に部屋の状態を確認する
  • 写真などで状態を記録する

ことが重要とされています。

つまり、

部屋を借りるときに、退去するときのことまで確認しておく。

これが一番の対策です。


まとめ:退去費用は「相場」より「何を払うのか」を確認しよう

一人暮らしの退去費用には、決まった一律の相場があるわけではありません。

部屋の広さや状態、入居年数、契約内容などによって金額は変わります。

ただし、覚えておきたいのは、

通常の使用による損耗・経年変化まで、原則として借主が負担するわけではない

ということ。

一方で、

  • 故意・過失による傷
  • 通常の使用を超えた汚れ
  • 不注意による設備の破損
  • 契約上の有効な特約

などについては、借主負担になる可能性があります。

退去費用で損をしないためには、

① 入居時に写真を撮る
② 契約書の特約を確認する
③ 普段から部屋をきれいに使う
④ 退去時の請求明細を確認する
⑤ 疑問があれば不動産会社や貸主に確認する

この5つを意識しましょう。

「退去するときにいくら請求されるんだろう……」と不安になる前に、入居するときから退去時の費用を意識しておくことが大切です。


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