賃貸物件を探していると、初期費用の見積もりに「仲介手数料」という項目が出てきます。
「家賃1ヶ月分も払うの?」
「仲介手数料無料って書いてあるけど、本当に無料?」
「そもそも仲介手数料って値引きできるの?」
このように疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、賃貸の仲介手数料は必ずしも家賃1ヶ月分を払う必要があるわけではありません。
仲介手数料には法律上の上限があり、さらに不動産会社によっては無料・半額などに設定している場合もあります。
この記事では、賃貸の仲介手数料について、
- 仲介手数料はいくらかかる?
- 法律上の上限はいくら?
- なぜ「家賃1ヶ月分+税」が多い?
- 仲介手数料無料の物件はなぜ無料?
- 仲介手数料は値引きできる?
- 仲介手数料を安くする方法
まで、できるだけわかりやすく解説します。
結論:仲介手数料は「家賃1ヶ月分+税」とは限らない
まず押さえておきたいのが、仲介手数料は不動産会社が自由に好きな金額を請求できるわけではないということです。
国土交通省では、不動産会社が賃貸借の仲介で受け取れる報酬について上限を定めています。
居住用物件の場合、原則として、
貸主・借主の双方から受け取れる仲介手数料の合計額
→ 家賃1ヶ月分×1.1(税込)以内
とされています。
また、貸主・借主の一方から受け取れる額は原則として、
家賃1ヶ月分×0.55(税込)以内
です。
ただし、仲介の依頼を受ける際に、その一方から承諾を得ている場合は、0.55ヶ月分を超えて受け取ることができます。
そのため、実際の賃貸市場では、借主が「家賃1ヶ月分+消費税」の仲介手数料を支払うケースがあります。
具体例:家賃8万円の場合
家賃が8万円の物件なら、
- 0.55ヶ月分(税込)=4万4,000円
- 1.1ヶ月分(税込)=8万8,000円
となります。
「仲介手数料1ヶ月分+税」という設定なら、8万8,000円です。
かなり大きな金額ですよね。
だからこそ、仲介手数料を安くできるかどうかは、初期費用を抑えるうえでチェックしておきたいポイントです。
仲介手数料とは?
仲介手数料とは、簡単にいうと、不動産会社に部屋探しや契約手続きなどの仲介をしてもらったことに対して支払う報酬です。
たとえば、
「この部屋を借りたい」
と不動産会社に相談すると、不動産会社は物件の紹介や内見の調整、契約手続きなどをサポートします。
そして、無事に賃貸借契約が成立すると、不動産会社に仲介手数料を支払うという仕組みです。
仲介手数料は、契約が成立した場合に受け取れる報酬として位置付けられています。
「仲介手数料1ヶ月分+税」は違法じゃないの?
ここは少しややこしいところです。
「借主から受け取れるのは原則0.55ヶ月分なのに、なぜ1.1ヶ月分請求されるの?」
と思うかもしれません。
ポイントは、0.55ヶ月分というのは、承諾を得ていない場合の一方から受け取れる上限だということです。
国土交通省の説明では、居住用建物の仲介について、依頼者の一方から受け取れる仲介手数料は原則として賃料1ヶ月分×0.55以内。
ただし、仲介の依頼を受ける際に、その一方から承諾を得ている場合は、1.1ヶ月分まで受け取ることができます。
そのため、
「仲介手数料1ヶ月分+税」=必ず違法
というわけではありません。
逆に言えば、仲介手数料の金額については、契約前にしっかり確認しておくことが大切です。
仲介手数料が無料の物件はなぜ無料?
「仲介手数料無料!」
という広告を見かけることがあります。
「無料ってことは、何か怪しいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、仲介手数料が無料であること自体がおかしいわけではありません。
仲介手数料は法律で「必ずこの金額を取らなければならない」と決められているものではなく、法律上の上限が定められているものです。
そのため、上限より低い金額に設定することもできます。
では、なぜ無料にできるのでしょうか。
理由① 貸主側から仲介手数料を受け取る
賃貸の仲介では、借主だけでなく貸主も依頼者になります。
そのため、貸主側から仲介手数料を受け取ることで、借主側の仲介手数料を無料にするという形も考えられます。
つまり、
借主の負担を0円にして、貸主側から報酬を受け取る
という考え方です。
理由② 不動産会社が手数料を割り引いている
不動産会社自身が仲介手数料を安く設定している場合もあります。
「仲介手数料50%OFF」
「仲介手数料無料」
などの会社が存在するのは、このためです。
ただし、仲介手数料が無料だからといって、必ず初期費用全体が安いとは限りません。
ここは非常に重要です。
「仲介手数料無料=絶対にお得」ではない
仲介手数料が無料だと、それだけでお得に感じます。
もちろん、実際に数万円単位で初期費用が安くなる可能性があります。
しかし、部屋を契約するときに支払うお金は、仲介手数料だけではありません。
たとえば、
- 敷金
- 礼金
- 前家賃
- 保証会社利用料
- 火災保険料
- 鍵交換費用
- その他の契約関連費用
などがあります。
そのため、
「仲介手数料無料だから、この会社が一番安い」
と決めつけるのは少し危険です。
重要なのは、初期費用の総額で比較することです。
たとえば、
A社:仲介手数料8万8,000円+その他費用15万円
B社:仲介手数料0円+その他費用18万円
なら、仲介手数料だけを見るとB社がお得ですが、実際の初期費用ではA社のほうが安くなります。
部屋探しでは、
「仲介手数料」ではなく「初期費用の総額」
を見るようにしましょう。
仲介手数料は値引きできる?
結論として、値引き交渉をしてはいけないという決まりはありません。
仲介手数料は法律で定められた「固定料金」ではなく、上限額が定められているものだからです。
そのため、不動産会社によっては、
- 仲介手数料半額
- 仲介手数料無料
- 一定額の割引
などに対応している場合があります。
ただし、必ず値引きしてもらえるわけではありません。
また、契約直前になってから強引に値引きを迫るより、物件を申し込む前の段階で確認しておくほうがスムーズです。
値引き交渉するなら「契約前」に
おすすめなのは、申し込みや契約の前に、
「こちらの物件を検討しているのですが、仲介手数料について相談できますか?」
と確認すること。
もし難しい場合でも、
「仲介手数料以外の初期費用で安くできる項目はありますか?」
と聞いてみる方法があります。
ただし、費用の値下げばかりにこだわって、対応してくれる不動産会社との関係を悪くする必要はありません。
「安くできるか聞いてみる」くらいの感覚でOKです。
仲介手数料を安くする5つの方法
ここからは、実際に仲介手数料を抑えるためにできることを紹介します。
1.仲介手数料が安い不動産会社を探す
一番わかりやすい方法です。
同じような物件を取り扱っている不動産会社でも、仲介手数料の設定が異なる場合があります。
「仲介手数料50%」
「仲介手数料無料」
などの会社もあるため、比較してみましょう。
ただし、先ほど説明したように、仲介手数料だけではなく初期費用の総額を見ることが重要です。
2.複数の不動産会社に見積もりを出してもらう
同じ物件でも、不動産会社によって初期費用の見積もりが異なる場合があります。
気になる物件が決まっているなら、
「この物件を契約する場合、初期費用はいくらになりますか?」
と複数の会社に確認してみるのも方法です。
比較するときは、
初期費用の総額+内訳
を確認しましょう。
3.仲介手数料について事前に確認する
意外と重要なのがこれ。
物件を気に入って申し込みを進めてから、
「仲介手数料は家賃1ヶ月分です」
と言われると、交渉しづらくなります。
問い合わせの段階で、
「仲介手数料はいくらですか?」
と確認しておきましょう。
4.仲介手数料だけでなく初期費用全体を見る
仲介手数料が安くても、ほかの費用が高ければ意味がありません。
見積書をもらったら、
「この費用は何のため?」
と疑問に思った項目を確認しましょう。
ただし、契約条件やサービス内容によって必要な費用は異なるため、名前だけを見て「不要な費用」と決めつけないことも大切です。
5.気に入った物件を複数の会社で比較する
同じ物件を複数の不動産会社が取り扱っていることがあります。
その場合、
「この物件を契約した場合の初期費用を教えてください」
と比較してみるとよいでしょう。
物件そのものだけでなく、「どこから申し込むか」まで比較する。
これが初期費用を抑えるポイントです。
仲介手数料で損しないためのチェックポイント
部屋探しをするときは、次の5つを確認しておきましょう。
チェック① 仲介手数料はいくら?
まずは金額を確認。
「家賃1ヶ月分+税」
「0.5ヶ月分」
「無料」
など、不動産会社によって設定が異なります。
チェック② 税込みか税抜きか?
「家賃1ヶ月分」と書いてあっても、税込みなのか税抜きなのかを確認しましょう。
仲介手数料は消費税の対象となるため、実際に支払う金額を確認することが大切です。
チェック③ 初期費用の総額はいくら?
仲介手数料だけを見ず、
「結局、契約時にいくら払うのか?」
を確認しましょう。
チェック④ 見積もりの内訳は?
初期費用の見積もりをもらったら、項目ごとに確認します。
わからない項目があれば、不動産会社に質問してOKです。
チェック⑤ 契約前に確認したか?
一番大事なのがこれです。
仲介手数料を含めた費用については、契約前に確認しておきましょう。
国土交通省も、仲介手数料について契約後のトラブルを防ぐため、仲介を依頼する段階で上限額の範囲内であらかじめ合意しておくことが重要としています。
よくある質問
Q. 仲介手数料は絶対に払わないといけない?
いいえ。
仲介手数料は、不動産会社が仲介を行った場合の報酬です。
金額については法律上の上限がありますが、必ず家賃1ヶ月分を支払わなければならないわけではありません。
無料や割引の会社もあります。
Q. 仲介手数料無料は怪しくない?
仲介手数料が無料であること自体が怪しいわけではありません。
仲介手数料は上限が定められているもので、必ず上限まで請求しなければならないものではありません。
ただし、無料だからといって初期費用全体が安いとは限らないため、総額と内訳を確認することが大切です。
Q. 仲介手数料は値引きできる?
不動産会社によっては可能です。
仲介手数料について相談する場合は、契約前に確認しましょう。
Q. 仲介手数料1ヶ月分+税は違法?
一概に違法とはいえません。
居住用建物の場合、依頼者の一方から受け取れる額は原則として賃料1ヶ月分×0.55(税込)以内ですが、仲介の依頼を受ける際に、その一方から承諾を得ている場合はこの限りではありません。
Q. 仲介手数料無料なら、初期費用も安い?
必ずしもそうとは限りません。
仲介手数料以外にも敷金・礼金・前家賃・保証会社利用料など、さまざまな費用があります。
「仲介手数料無料」ではなく「初期費用の総額」で比較しましょう。
まとめ:仲介手数料は「金額」より「総額」で考えよう
賃貸の仲介手数料は、部屋を借りるときの大きな出費のひとつです。
ただし、
「仲介手数料=家賃1ヶ月分+税」
と決めつける必要はありません。
法律上の上限が定められており、不動産会社によっては無料・割引にしている場合もあります。
仲介手数料を少しでも抑えたいなら、
- 仲介手数料を確認する
- 複数の不動産会社を比較する
- 初期費用の見積もりをもらう
- 内訳を確認する
- 契約前に気になる点を質問する
この5つを意識してみましょう。
そして一番大切なのは、
「仲介手数料が安い会社」ではなく、「初期費用の総額が納得できる会社」を選ぶこと。
数万円の違いでも、引っ越し時にはかなり大きな差になります。
部屋探しでは、家賃だけでなく「契約時にいくらかかるのか」まで確認して、納得できる物件を選びましょう。
※本記事は2026年8月時点の公開情報をもとに作成しています。個別の契約条件や仲介手数料については、契約を行う不動産会社にも確認してください。
参考:国土交通省
仲介手数料の上限については、国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」で確認できます。
国土交通省では、賃貸借取引の仲介手数料について、貸主・借主の双方から受領できる合計額や、居住用建物における一方からの受領額について上限を定めています。
🔗 関連記事
賃貸の初期費用について詳しく知りたい方はこちら
→「賃貸の初期費用はいくら?一人暮らしで家賃8万円・10万円・12万円・15万円の場合を比較」
🐶 賃貸わんこについて
賃貸わんこでは、「知らないと損するかもしれない家探しの情報」をわかりやすく発信しています🏠🐾
家賃相場や穴場駅、初期費用、物件情報の見方など、これから部屋探しをする人に役立つ情報を紹介しています。
「この物件、本当にアリ?」を自分で判断できるようになりたい方は、ぜひ賃貸わんこをチェックしてみてください🐶




コメント